呈茶のマナー(お茶の出し方)

呈茶のマナー
お茶を差し上げる場合、自分は黒子(くろこ)に徹してくださいとお話しています。商談の邪魔をしないこと、お茶をお出ししたらすぐに退席することを心がけます。「失礼いたします。」「「こちらにお置きします」などあまり連呼しないように、必要最低限の言葉かけを心がけましょう。
会社のテーブルの状況によって呈茶の方法が変わってきます。
【呈茶の基本】

  • 入室時ノックをして、「失礼いたします」と言って入室します。
  • ドアの前で一礼します。(トレーを横にスライドして一礼すると、息や髪の毛がトレー上のものにかかりません)
  • 席次の順番でお茶をお出しします。
  • 可能な限り右側からお出しします。(お茶を右手ですぐに飲めるように)
  • 空になったトレーをわきに抱え、一礼して退室します。

 
【サイトテーブルがある場合】

  • お湯のみにお茶を入れ、茶たくは別に重ねてトレーでお持ちします。

  • サイドテーブルにトレーをお置きし、茶たくを一枚トレー横に置きます。(両手で指をかけずに持つ)

  • 次に湯呑を両手で持って、糸きりという湯呑の底の部分をふきんで拭き、茶たくに湯呑を載せます。


  • 茶たくを両手で持ち、お茶をお席までお持ちします。

  • この流れを全員繰り返します。

【サイドテーブルが無い場合】

  • トレーに茶たくとお湯呑みをセットし、お茶を入れた状態でお持ちします。

上級煎茶はうま味成分(アミノ酸)を豊富に含むため、渋味を抑えてうま味を充分に引き出すよう、低温でいれます。
また、普通煎茶は上級煎茶に比べ、うま味成分(アミノ酸)が少なめで、渋味成分(カテキン)を多く含むため、香りと適度な渋味を引き出します。
玄米茶やほうじ茶は、うま味・渋味成分が少ないため、高温でいれても渋味やうま味は強く出ません。高温で香り立ち良くいれましょう。
伊藤園「お茶百科」公式サイトより

  • トレーから直接お1人ずつお茶をお出しします。


 
日本では席次の順番にお出しします。外国人のお客様はレディファーストで女性からサービスする事が当然と考える方もいるので、その場合はあらかじめ上司に相談して、女性からお茶をお出しすることもあります。
お部屋の配置で、奥に入り込めない場合などは、「こちらから失礼します」とお断りして、置けるところにお置きします。この一言が言えるかどうかで、ルールは知っているのですが、この状況ですから難しいです。というニュアンスが伝わります。
一番の方が分かりづらい場合は、席次の順番にお置きしてしまいます。そこで、部下が入れ替えた場合は、「ありがとうございます。」とお伝えします。「失礼いたしました」と伝えると、上司を勘違いしたと思われますので、シンプルにお礼のみお伝えしましょう。
人数が違った場合は、持ってきた分をお置きして、足りない分は改めてお持ちします。お客様だけお出しすると飲みづらいため、自社の人の分もあれば出してしまいトレーは空で退室します。お待ちいただく人には「只今お持ちいたします。」と一言添えて退室します。
お客様分が最初から足りないときも同じですが、「大変申し訳ございません。只今すぐにお持ちいたします。」とお詫びの言葉をいれましょう。
 

実はコーヒーカップの取っての向きはどちらでも大丈夫です。

取手がお客様の右側におかれた場合、すぐに右手で持ってカップを持ちやすいです。こちらを合理的なアメリカ式と呼びます。
取手がお客様の左側におかれた場合、右手で持つためには、カップを半周させます。その時に香りが漂います。こちらは紅茶の香りを楽しむ文化があるヨーロッパ式と呼びます。
ですから、香りを楽しんでほしい場合は、ヨーロッパ式で左に取手がくるようにお置きし、すぐに飲んで欲しい場合はアメリカ式のように取手を右にお置きします。